会長挨拶

大分県自閉症協会へようこそ!
自閉症(自閉症スペクトラム、あるいは広汎性発達障害ともいう。)は、わかってもらいにくい障がいです。
彼らは、つぎのような3つの障害特性をもつとされています。

・社会関係を築くのが苦手。
・他人とコミュニケーションをとるのが上手でない。
・興味の対象が極端に偏っていたり、こだわりが強い。

しかしながら、その障害の程度やあらわれ方には個人差がひじょうに大きく、思春期になるまで気づかれないことも珍しくありません。また、自閉症は決して珍しい障がいではなく、今の子どもたちの100人に1人くらいは、この障がいをもっていると言われています。

以前は、親の育て方に問題があると勘違いされることも少なくありませんでしたが、この障がいは生まれつきのもので、障がいの正体も、大脳の機能が大多数の人間と異なっていることが原因とわかっています。

私たち人間は、「人の間」という文字の通り、他人との関係を築き、社会の中で生きていくようにできていますので、他人とコミュニケーションをとり、社会でうまく生きるための能力に課題があるということは、ひじょうに大変なことです。時として突飛に見える行動があったり、TPOに応じた行動をとるのがむずかしかったりするため、周囲の人間から困った子と思われることもありますが、彼らの方こそ、困っているのです。

自閉症の人たちには、彼らの困り事を理解し、問題解決に結びつけるだけでなく、持つ能力をきちんと引き出してあげるための支援が必要です。そのために、一人でも多くの人に自閉症という障がいをわかっていただきたいし、味方になっていただきたい。
ですから、私たち自閉症という障がいをもった子どもの保護者は、このような会を作り、支援の専門家にも仲間になってもらって、子どもたちが生きやすい大分になるよう、一緒に活動を続けているのです。

お子さんの様子に、人と違うのではないかと不安を感じているお母さん、お父さん、一人で悩んでも、問題は解決しません。苦しみも喜びも分かち合える仲間がここにいます。自閉症のお子さんに関わっておられる先生や職員の皆さん、一緒に考えましょう。

幸いいまの大分県は、県や教育委員会のリーダーシップのもと、徐々にですが着実に自閉症の子どもたちのための施策が進んでいます。

みんなの力で、障がいがあっても安心して暮らしていける大分を作っていきましょう。

大分県自閉症協会会長 平野亙